gccバージョン3.2

2002年8月現在のgcc最新版はバージョン3.2である．gccはGNU ProjectCompiler Collectionであり，CおよびC++以外に，FORTRAN77，Java，Objective-C，Adaの各コンパイラを構築できる．また，64ビットモードにも対応しており，long型およびポインタ型を64ビット長でコンパイルすることも可能である．

Solaris8(SPARC版）はカーネルが64ビットモードであり，64ビットモードのコンパイルが必要なソフトウェアもある．しかし，多くのソフトウェアは32ビットモードで問題なく動作するので，必要に応じて32ビットモードと64ビットモードを使い分けることができると好都合である．

Solaris8上でgccをソースからコンパイルすると，32ビットモードと64ビットモードの両方をサポートするコンパイラが出来上がる．当然，ライブラリも32ビットモードと64ビットモードの両方必要になるが，私の利用している環境では，FORTRAN77およびJavaの64ビットモードライブラリの構築でエラーが発生した．configureスクリプトおよびMakefileを修正するとFORTRAN77のライブラリは構築できるが，Javaのライブラリ構築はエラーがなくならない．FORTRAN77およびJavaコンパイラは必要ないので，CおよびC++のみを構築することにした．

• コンパイラ
  gccバージョン2.95.3
  
  
• configureスクリプトのオプション指定
  configure --enable-languages=c,c++  --with-as=/usr/ccs/bin/as  --with-ld=/usr/ccs/bin/ld
               --dsiable-nls   --disable-shared  --with-system-zlib
  
  これらのオプション指定の必要性については，きちんと確認していない．GNUのgccのサイトの情報などを参考に上記のように指定したならばコンパイルできた．結果オーライでしかないことをお断りしておく．
  
  
• gccバージョン3.2の動作確認
  

  % gcc -v Reading specs from /usr/local/lib/gcc-lib/sparc-sun-solaris2.8/3.2/specs Configured with: ./configure --with-as=/usr/ccs/bin/as --with-ld=/usr/ccs/bin/ld --disable-nls --disable-shared --enable-languages=c,c++ --with-system-zlib Thread model: posix gcc version 3.2 % gcc sample.c % file ./a.out ./a.out:        ELF 32-bit MSB executable SPARC Version 1, dynamically linked, not stripped % gcc -m64 sample.c % file ./a.out ./a.out:        ELF 64-bit MSB executable SPARCV9 Version 1, dynamically linked, not stripped